今日のテーマは「アセンションを妨げる『罪悪感』『自責感』です。
これもジャッジすることで起きるものです。
カウンセラーとして仕事をしていると、うつ病や、適応障害、その他何らかの精神的な不調や、仕事以外の、ご家庭での強い悩みに苦しんでいる方にお会いすることがほとんどです。
そういう状況の方々には大きな共通点があります。
その苦しみの原因は何であれ、一つは他者または自分への『怒り』もう一つは『罪悪感』(自責感)です。
この感情は意識に昇っている場合もありますし、ご本人が気づいていない場合もあります。
また気づいていたとしても、最初はそのことを気づかないふりをしたり、隠されていることもあるのですね。
『怒り』には感じるのが正当な怒りもありますし、その方の思い込みや勘違いによって起きていることもあります。
ただ、まずはその『怒り』についてご本人が認識するところからカウンセリングは始まりますし、『罪悪感』に関しても同じです。
今日は『罪悪感』(自責感)についてお話ししたいと思います。
例外を先に上げておこうと思いますが、誰かに恨みを持って傷つけてしまったり、殺したりするような場合の罪悪感は、両者のカルマと引き寄せが関係する複雑な原因が関係していますので、今日のテーマからははずれます。
ひとつ事例をあげてみましょう。
エッセンスは同じですが詳細は変えています。
◆隆さん(仮名、49歳、開発営業職)
隆さんは超優秀と言われる大学を卒業し、現在の仕事に就いて長年経過しています
が、責任が重くなった年代からだんだん仕事のパフォーマンスが下がり、下の人に仕事
を振る立場になってから急速にそれができなくなり、自分で抱えてしまっては期日までに 間に合わない!ということが繰り返されるようになりました。
隆さんは対外的には人柄が穏やかで好かれる性格であり、上司もサポーティブに対応してくれていましたが、そういうことが繰り返されるにつれ自信を失って「うつ状態」になり、しばらく休業して精神科医の診断を受けました。
結果はうつ病ではなく、適応障害の「うつ状態」で、さらにADHD(注意欠陥障害)という発達障害の傾向が強いという診断でした。
投薬もされましたが、気分にもADHD的な部分にも特に効果があらわれませんでした。
この休養時にカウンセリングも受けたほうがよいのではと紹介されたのでした。
最初のお話の仕方から読書量も半端なく多く、いろいろな知識も豊富で頭の良い方だなーとの印象でした。
だんだんわかってきたのは、私に知識豊富な情報をたくさん教えてくれたり、自分の考え方をちょっと押し付け気味なくらい強めに語られていたのは、実は自分の自信のなさを無意識にカバーするためのものだったのかも?ということでした。
じょじょに自分について「小学校時代は神童と言われたが、実は昔から自分はいづれこんなふうになってしまうのではと怖れていました。根拠はないのですが・・・」と長じるにしたがって自信のない自分を意識するようになったということでした。
そしてお話の速度も比較的落ち着いたものになりましたが、今のような自分を受け入れることが難しく、時に自暴自棄な気持ちになってときどきは「自分には悪魔が憑いている」などと冗談ではなく吐露されることも頻繁にありました。
もちろん、というのも変ですが私が拝見して隆さんに「悪魔が憑いている」とか何か霊的な障りがあるなどということはまったくなく(そういう方も実は結構おられるのですが)、
「もしかしてよく悪魔が憑いているなどと言われるのは、その言葉でご自分が秘かに感じている罪悪感を言い換えていませんか?」と聞くと、しばらくお返事がありませんでしたが・・・・
「・・・そういうことかもしれません・・・・ね」と答えられました。
「自分は世間的には超優秀と言われる大学に入りましたが、なぜ入ったのかわからないし、大学時代も実際何をしていいのかぜんぜんわからないで過ごしてしまったんです」と。
私の感じるところでは、頭の良い隆さんですが、ADHD的な思考行動パターンと現在の会社の業務は合わないのではと感じました。
部下として言われたことをやっているうちは良かったけれど、上の立場になり、自分でその業務にあった思考回路でゴールまで持っていくのが隆さんにはとても難しいのでは?と。
その後会社では早期退職者の募集がありましたが、悩んだ末「残る」ことに決め、職位は下がりましたが同じ部門で継続勤務されました。
部下に仕事を振る必要はなくなりましたが、それでも職場が求める仕事のゴールまで持っていくことはやはり困難を極めたままでした。
その間に隆さんは自分は何をやってもダメというわけではないかもしれない、この会社の業務には合わないだけなのかもしれない。悪魔が憑いてる!なんてある意味自分をごまかしていたけれど、自分はこの会社の仕事でなくほかの仕事ならできる仕事があるかもしれない」という風に徐々に考え方が変化していきました。
小学校の頃から「神童」と言われながらもなぜか不全感を持っていた自分の罪悪感、自責感に少しずつ向き合えるようになられてきました。
そんな時、会社が2度目の早期退職者募集を募ってきました。
隆さんはご家族とも相談したうえ、今回はもうすぐ締め切られる早期退職に応募することにしました。
そしてしばらくは心身を休め、英気を養ってから今度こそ仕事の内容が自分に合ったものを真剣にさがしてみる、と意欲的にもなられていました。
今は仕事の申し送り時期ということですが、ずいぶん気持ちが軽くなっているとのこと、仕事以外でも「鍵をなくしたり、いろいろ阻喪をしてしまう」と嘆きながらも「ADHDの特徴だからまー仕方ないですよね」などと自分をジャッジする強いクセをやめようと思い直すようになられました。
最近の隆さんは不要な罪悪感がほとんど消失している、と感じられますので、隆さんのこれからの人生の前途は今までよりはるかに明るい!と感じています。
それではまたお会いしましょう(^_^)/~