これから書いていく
「カウンセラーの悩み」の元は、
対人援助職だけではなく、広い意味では、
日常友人や周囲の人から悩みを聴くことになりやすいタイプの人にも
場合により結構当てはまりますので、
そのタイプの人は特に読んでくださいね!
★クライエントに関する悩み
・効果への不安
・共感疲労(コンパッション・ファティーグ)
クライエントの苦悩、苦痛を繰り返し聴くことでこころが消耗し、感情が麻痺してしまうような場合。
・困難なケースへの対応
自殺リスク、虐待、重篤なトラウマなどに対応する責任の重さなど。
・クライエントの依存
過度に依存されることでセッション外でも心理的負担が続く可能性がある。
★カウンセラー自身のメンタルヘルス
・バーンアウト(燃え尽き症候群)
長時間労働や感情労働の蓄積により、意欲やエネルギーが枯渇してしまう。
・二次的トラウマ
クライエントのトラウマ体験を聴くことで、自分にも類似の症状(不眠、フラッシュバックなど)が起こることがある。
・無価値感
「もっとできるはずだった」というような自己批判や、ス―パヴィジョン(専門家の指導)不足による孤立感。
・カウンセラー自身の未解決の問題
カウンセラー自身の過去のトラウマ、人間関係の問題が無意識にせよセッション中に刺激され、知らぬ間に客観性を失うリスク(逆転移)
これはカウンセラー自身がその問題に関して「癒されていない」ゆえに起こることです。
・スピリチュアリティに関する悩み
他者の苦しみを常に聴く日常のため、人生そのものや社会に対する一種の絶望感を抱くことがある。
★専門性、倫理に対するジレンマ
・境界線(バウンダリー)を保つこと。
・多様な価値観との対応
自分の倫理観とクライエントの倫理観や価値観が衝突したときの対応(宗教やジェンダー間の違い)。
上の中で赤字で書いたところ以外は
心理学を学ぶ上では常識的な事柄ですが、
赤字の部分は意外と深く掘り下げられることがないように思います。

私は自分の歩んできた苦しくないとは言えない道の中で、
特に赤字の部分がもっとも大切なように感じています。
「カウンセラー自身が癒されること」
(自分が癒された分しか人を癒すことはできません)
「宗教などに関係ない人間の本質(スピリチュアリティ)を実感できること」
この二つです。
最近評判のよい朝ドラ「あんぱん」でも
「何のために生きるか」
ということが一つのテーマになっていますね。
それです🎯
私のセッション(スーパーヴィジョン)では
さまざまなセルフケアのワークの提供(自分で習得することも可能です)はもちろん、
上記の2点に内的重点を置いて行っています。
最初に書いたように、
専門的に対人援助をしている方ではなくても、
人から悩み事を繰り返し聴くようになって
心身の調子を崩してしまった方にも結構お会いします。
だいたい上のようなことが起こっているのです。
「人の話を安易に気軽に聴くのは危険!」
というのは意外にも真実なんですよ。
それではまたお会いしましょう(^_^)/~